ぎんいろよぞら
TWをやったり、サイコロ回したり、お絵かきのっけたりする、そんなまったりブログ。 本人に、廃人の自覚無し。というか、違うと思うんだ。
→ たたかう
- 2011/11/07 (Mon) |
- TW:ゲームブック |
- CM(1) |
- Edit |
- ▲Top
“残り MP0―――”。
キミは、その状態であっても戦うことを諦めなかった。多くの技術(スキル)は使えなかったし、ただ殴ることすらも魔力を要するものは使えなかった。
ただ、歯を食いしばり、武器を持つ拳を強く握った。
サンドゴーレムたちの数は、―――3。
じわりじわりと距離が詰まる。
彼我の距離は、目測にして5mまで近づいた。
サンドゴーレムたちはキミの隙を窺うため、その距離を保ったまま、周囲を囲むようゆっくりと動く。
キミは、体力を少しでも浪費しないよう、相手を見据え、ただただ慎重に一瞬の戦いに備える構えを取った。
ピリピリとした緊張が場を支配する。
―――ゴッ!
突如として、サンドゴーレムの一体が君に殴りかかる。
キミはなんとかそれをかわし、体の位置を入れ替えた!
同時に、キミの背後を狙っていた他のゴーレムたちからの攻撃が不発と終わる。あぶない!
キミは、バランスを崩したサンドゴーレムの背後から強打を放つ!
手ごたえあり!
前に踏み出す力を最大限利用したその一撃は、サンドゴーレムに致命傷を負わせた。
サンドゴーレムの体が砂漠に沈む―――1匹を撃破ッ!
「―――!!?」「―――――――!!!!!!!!!」
仲間が倒されたことに気づき、怒ったサンドゴーレムが右から左から、まさかのコンビネーションでキミを闇雲に狙い始めた。
ゴーレムの攻撃が掠る。顔の皮膚が切れた。キミのHPが減る。
また、掠る。今度は足。やばいッ。また、キミのHPが減った!
さらに、掠る!
防ぐ! 掠る―――!
―――ここだッ!
キミは、ぎりぎりのタイミングを見計らい、がむしゃらに襲ってきていたサンドゴーレムの急所を突いた! その一撃でサンドゴーレムの体は曲がり、徐々に頭からただの砂へと変わっていく。零れ落ちた砂が山となる。
さぁ、残りのサンドゴーレムは後1匹―――。
ここで、
―――キミは油断する。
気の緩み、だけではない。限りなく無くなった体力気力が底をつき、その結果を招いてしまったのだ。砂漠の砂に足を取られてしまったのだ。
躓いて転び、姿勢を崩したキミに、容赦なくサンドゴーレムは襲い掛かる。
その巨大な図体でマウントポジションを取り、キミを拘束した。
その圧倒的な体重差は、もはやキミに選択肢を与えることは―――ない!!!!!
そして、
サンドゴーレムはその両手を組んで、キミの胴体へと激しく叩きつけた!
ドッッゴオオオオオオンーーーッ!!!
キミは死んだ。
「―――。―――?」
「―――お―――、―――大―――か?」
遠くで声がする。
「―――おい、―――大丈夫か?」
なぜかキミは生き延びていた。
目が覚めると、カーディフ地方特有の民族装飾が施された室内のベッドに横たわっていた。
戦闘で傷ついたキミを、この世界の生き残りだという貿易商の男が介抱していたのだった。
彼の話から類推するに、胸にしまっていた石版が砕け散ったことで、それが緩衝材となり、キミは辛うじて生き延びることができたようだった。
しかし、あの戦闘から数日が過ぎていることも同時に知る。
だが、キミはもう、普段の日常生活に戻ることすら叶わない。
四肢は折れ、戦闘直後からの長い脱水症状が続いたせいで今は命が繋ぎ止められているのが驚くほどの状態だったからだ。
キミは、―――。
それでも世界は変わる。
時は1日1日と刻み続け、否応なく世界の歯車は回り続ける。
→ やり直す
プロフィール
*当ブログはリンクフリーですが、
一言いただけると嬉しいです。
COMMENT
No Title